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学習2026.06.21

自己保持回路とは?シーケンス制御の基本を初心者向けに解説

自己保持回路とは?シーケンス制御の基本を初心者向けに解説

自己保持回路の仕組みを、START・STOP・リレー・接点・ランプの動きに分けて初心者向けに解説します。記事内のシミュレータで実際の動作も確認できます。

自己保持回路は、シーケンス制御を学ぶうえで最初に理解しておきたい基本回路のひとつです。

ボタンを押した瞬間だけ動くのではなく、一度動き始めた状態を回路自身で保持できるのが特徴です。 たとえば、モーターの起動・停止、ランプの点灯保持、設備の運転回路など、さまざまな制御の基本になります。

この記事では、自己保持回路の仕組みを初心者向けに分かりやすく整理し、実際に動かせるシミュレータを使って動作を確認します。

自己保持回路とは

自己保持回路とは、一度ONになったリレーや接点の状態を、別の接点によって維持する回路です。

通常の押しボタンは、押している間だけONになります。 しかし自己保持回路では、STARTボタンを一度押すとリレーが動作し、そのリレー自身の接点によってON状態が継続されます。

つまり、STARTボタンから手を離しても、回路は動作し続けます。

この「動作状態を自分自身で保持する」仕組みが、自己保持回路と呼ばれる理由です。

自己保持回路で使う主な部品

自己保持回路では、主に次のような部品を使います。

STARTボタン

STARTボタンは、回路を動作させるためのボタンです。 一般的には、押したときだけ導通する a接点 として使われます。

a接点とは、通常時は開いていて、操作されたときに閉じる接点のことです。

STOPボタン

STOPボタンは、回路を停止させるためのボタンです。 一般的には、通常時は導通していて、押したときに切れる b接点 として使われます。

b接点とは、通常時は閉じていて、操作されたときに開く接点のことです。

リレーコイル

リレーコイルは、電気が流れることで接点を動かす部品です。

STARTボタンを押してリレーコイルに電気が流れると、リレーが動作します。 その結果、リレーに連動した接点が開いたり閉じたりします。

自己保持接点

自己保持接点は、リレーが動作した後にON状態を維持するための接点です。

STARTボタンと並列に配置されることが多く、リレーが動作するとこの接点が閉じます。 これにより、STARTボタンを離しても、リレーコイルへ電気が流れ続けます。

ランプや負荷

ランプやモーターなど、実際に動かしたい対象を負荷と呼びます。 自己保持回路では、リレーの動作に合わせて負荷をON/OFFします。

自己保持回路の動作の流れ

自己保持回路の動きは、次の順番で考えると理解しやすくなります。

1. 初期状態

最初はSTARTボタンが押されていないため、リレーコイルには電気が流れていません。

この状態では、リレーは動作しておらず、自己保持接点も開いています。 そのため、ランプなどの負荷もOFFです。

2. STARTボタンを押す

STARTボタンを押すと、START接点が閉じます。

すると、STOPボタン、STARTボタンを通ってリレーコイルに電気が流れます。 リレーコイルが励磁されることで、リレーが動作します。

励磁とは、コイルに電気が流れて磁力が発生し、リレーが動作する状態のことです。

3. 自己保持接点が閉じる

リレーが動作すると、リレーに連動した自己保持接点が閉じます。

この自己保持接点は、STARTボタンと並列に配置されています。 そのため、STARTボタンを離しても、自己保持接点を通ってリレーコイルに電気が流れ続けます。

これが自己保持の基本です。

4. STARTボタンを離しても動作が続く

STARTボタンから手を離すと、START接点は開きます。

しかし、すでに自己保持接点が閉じているため、リレーコイルへの通電は続きます。 その結果、ランプや負荷もONのまま維持されます。

5. STOPボタンを押す

STOPボタンを押すと、STOP接点が開きます。

すると、リレーコイルへ流れていた電気が止まります。 リレーが復帰し、自己保持接点も開きます。

これにより、回路は初期状態に戻ります。

シミュレータで自己保持回路を確認する

下のシミュレータで、自己保持回路の動作を確認できます。

STARTボタンを押すとリレーが動作し、ランプが点灯します。 STARTボタンを離してもランプが点灯し続けることを確認してください。 STOPボタンを押すと、自己保持が解除されてランプが消灯します。

自己保持回路でつまずきやすいポイント

自己保持回路を学ぶときは、次の点でつまずきやすいです。

STARTボタンと自己保持接点の違い

STARTボタンは、人が押したときだけ一時的にONになる接点です。

一方、自己保持接点は、リレーが動作した後にON状態を維持するための接点です。 この2つは並列に配置されることが多いですが、役割は異なります。

STOPボタンはb接点で使う

STOPボタンは、通常時に電気を通しておき、押したときに回路を切るために使います。

そのため、自己保持回路ではb接点として使うのが基本です。 STOPボタンをa接点として考えてしまうと、回路の動きが分かりにくくなります。

リレーコイルと接点は別物

リレーコイルと接点は連動しますが、同じものではありません。

リレーコイルに電気が流れることで、リレーに関連する接点が動きます。 この関係を意識すると、自己保持回路の動きが理解しやすくなります。

自己保持回路が使われる場面

自己保持回路は、実際の設備制御でもよく使われます。

たとえば、次のような場面です。

  • モーターの起動・停止回路
  • ポンプの運転回路
  • コンベアの運転回路
  • 表示灯の点灯保持
  • 制御盤の基本回路

どれも、一度STARTしたら運転状態を維持し、STOPで停止するという考え方が基本になります。

まとめ

自己保持回路は、シーケンス制御の基本となる重要な回路です。

ポイントは次の通りです。

  • STARTボタンでリレーコイルを動作させる
  • リレーが動作すると自己保持接点が閉じる
  • STARTボタンを離しても自己保持接点により動作が継続する
  • STOPボタンを押すと回路が切れて停止する

自己保持回路を理解すると、リレー回路やシーケンス制御の考え方が一気に分かりやすくなります。 まずはシミュレータでSTARTとSTOPを操作しながら、接点とコイルの動きを確認してみてください。