シーケンス制御とブール代数の基本|NOT・OR・AND回路をやさしく解説

前回の記事では、SWを押すと負荷Rが動作する基本回路を確認しました。
今回は、その回路を少し発展させて、NOT回路、OR回路、AND回路を見ていきます。
ブール代数という言葉が出てくると難しく感じるかもしれません。 でも、最初の考え方はかなりシンプルです。
ONかOFFか
1か0か
条件が成立するか、成立しないか
シーケンス制御の接点回路は、このブール代数ととても相性が良いです。
ブール代数とは
ブール代数とは、0と1のような2つの値を使って条件を表す考え方です。
シーケンス制御では、次のように置き換えると分かりやすいです。
| シーケンス制御 | ブール代数 |
|---|---|
| OFF | 0 |
| ON | 1 |
| 接点が開いている | 0 |
| 接点が閉じている | 1 |
| 負荷が動作しない | 0 |
| 負荷が動作する | 1 |
ここで注意したいのは、入力のON/OFFと、接点が開いている/閉じているは分けて考えるという点です。 たとえばNC接点では、入力がOFFのときに接点は閉じ、入力がONのときに接点は開きます。 入力状態と接点の導通状態がいつも同じになるわけではありません。
つまり、スイッチや接点の状態を0と1で表すことで、回路の動きを論理回路として整理できます。
NO接点とNC接点
NOT、OR、ANDを理解する前に、NO接点とNC接点を確認しておきます。
| 接点 | 意味 | 入力OFFのとき | 入力ONのとき |
|---|---|---|---|
| NO接点 | 通常開いている接点 | 開いている | 閉じる |
| NC接点 | 通常閉じている接点 | 閉じている | 開く |
NO接点は、スイッチを押したときに回路がつながる接点です。 NC接点はその逆で、スイッチを押していないときにつながっていて、押すと切れる接点です。
NC接点は、入力Aに対して導通条件が反転する接点として働きます。基本的には、NO接点の並列はOR、NO接点の直列はANDとして見ると、シーケンス制御の論理回路を読みやすくなります。
NOT回路|入力と反対の動きをする
まずはNOT回路です。
NOT回路は、入力と出力が反対になる回路です。
AがOFFなら、RはON
AがONなら、RはOFF
シミュレータでは、基本回路の接点をNOからNCに変更した回路として確認できます。
NOT回路の真理値表は次の通りです。
| A | R |
|---|---|
| 0 | 1 |
| 1 | 0 |
ブール代数では、NOTを次のように表します。
R = NOT A
R = ¬A
NC接点を使うと、入力Aに対して導通条件が反転します。 そのため、「押していないときに動く」「ONになったら止まる」という動きを作れます。 実際のシーケンス制御でも、停止条件や安全条件を作るときにNC接点はよく使われます。
OR回路|どちらか一方でもONなら動作する
次はOR回路です。
OR回路は、AまたはBのどちらか一方でもONになれば、出力がONになる回路です。
シーケンス制御では、NO接点を並列に接続するとOR回路になります。
この回路では、Aの接点を通るルートと、Bの接点を通るルートがあります。 どちらか一方でも電気の通り道ができれば、出力がONになります。
| A | B | R |
|---|---|---|
| 0 | 0 | 0 |
| 1 | 0 | 1 |
| 0 | 1 | 1 |
| 1 | 1 | 1 |
ブール代数では、ORを次のように表します。
R = A OR B
R = A + B
ここでの + は、普通の足し算とは少し違います。
ブール代数では、AかBのどちらかが1なら結果は1です。
OR回路は、たとえば次のような場面で使いやすいです。
- どちらかのスイッチを押せばランプが点く
- 複数の起動ボタンのどれかで装置を動かす
- いずれかの条件が成立したら警報を出す
AND回路|両方ONのときだけ動作する
次はAND回路です。
AND回路は、AとBの両方がONになったときだけ、出力がONになる回路です。
シーケンス制御では、NO接点を直列に接続するとAND回路になります。
この回路では、Aの接点とBの接点の両方が閉じないと、電気の通り道が完成しません。
| A | B | R |
|---|---|---|
| 0 | 0 | 0 |
| 1 | 0 | 0 |
| 0 | 1 | 0 |
| 1 | 1 | 1 |
ブール代数では、ANDを次のように表します。
R = A AND B
R = A · B
AND回路は、「すべての条件がそろったら動かす」という考え方です。
たとえば、次のような条件に向いています。
- 安全カバーが閉じていて、起動ボタンが押されたら動く
- A条件とB条件が両方成立したらランプを点ける
- 複数の確認条件がそろったときだけ機械を動かす
基本的にはNC接点はNOT、並列はOR、直列はAND
ここまでの内容を整理すると、次のようになります。
| 接点・配線 | 論理回路としての見方 | 意味 |
|---|---|---|
| NC接点 | NOT | 入力条件に対して導通が反転する |
| NO接点の並列接続 | OR | どれか1つで動作 |
| NO接点の直列接続 | AND | すべてそろうと動作 |
この対応を覚えると、回路図を見たときに「これはORっぽい」「これはANDっぽい」と判断しやすくなります。
まとめ
今回は、シーケンス制御とブール代数の基本として、NOT回路、OR回路、AND回路を確認しました。
ポイントは次の通りです。
- ブール代数はON/OFFを0/1で考える方法
- NC接点は、入力条件に対して導通が反転する接点として働く
- 基本的に、NO接点を並列にするとOR回路になる
- 基本的に、NO接点を直列にするとAND回路になる
- シーケンス制御の回路は、ブール代数の考え方で整理できる
次の記事では、少し発展してXOR回路とNAND回路を見ていきます。 特にNAND回路は、デジタル回路を理解するうえでかなり重要な考え方です。
関連ツール
シーケンス回路エディター
電磁リレー・接点・コイル・ランプ・タイマーを配置して、シーケンス制御回路を作成・確認できるエディターです。
ツールを使う