マンガで考える食肉文化について

丑

 今年は丑年。丑と言えば牛肉美味しい。と無理矢理感ありますが、食肉文化について考えたいと思います。昨年ネットニュースで、ヴィーガンの方が生肉っぽい色の牛がど真ん中にあしらわれたトレーナーなどをネット販売し、話題になっているというのを見ました。ヴィーガンは、食品を主として動物製のものを使用しないという思想です。この記事では、食肉文化に少なからず触れているマンガ3作品を自分の考え述べつつ紹介したいと思います。

『約束のネバーランド/原案:白井カイウ、作画:出水ぽすか』−食べられる側の視点

 週刊少年ジャンプで2020年まで連載し、最近では映画化もされて話題になってましたね。子ども達が孤児院で幸せそうに暮らしているが、実は鬼達の食料として飼育されていたという設定で、子ども達がその残酷な運命に抗っていく…というストーリーです。人を鬼、子ども達を牛・豚・鶏・etc.に置き換えれば現実の畜産とほぼ同じかと思います。人間でしかも少年少女達が鬼達の食料とされてしまうというショッキングでキャッチーな設定でした。作者に食肉文化を否定する意図があったのかは知りませんし、自分も面白いと思って読んでいただけで、食肉文化やべぇ…みたいな考えには全く至りませんでしたが、この記事を書こうと思った時に真っ先に思い浮かんだので取り上げてみました。面白いので読んでみてください。

『ミノタウロスの皿/藤子・F・不二雄』−第三者の視点

 年末にKindleでセールになってた藤子・F・不二雄の『SF短編PERFECT版①』を購入したら、この作品が収録されてました。ある男が宇宙を漂流し辿り着いた星では牛っぽい獣人型生物(ミノタウロス)に人型生物が家畜にされており、男はミノタウロスに人型生物を食べるのをやめさせようと奮闘するお話です。食べるでもなく、食べられるでもない、第3者として他の食に介入しようとしていますが、食べられるのが人型生物じゃなかったらこの男は介入なんてしないし、むしろ一緒に食べるだろうなと思う。この作品は1969年にビッグコミックに掲載されたそうで、50年以上前からこの発想があったことに驚きです。他の短編も面白いのでおすすめです。(※ダークな内容が多いです。)

『ユニコーンの功罪/清水ラボ』−栄養源という視点

 電子コミック「コミックDays」で読み切りで掲載されていたこの作品。食事を不要とできる栄養を備えたサプリが流行し食事の文化が衰退する社会に生きる料理人を主人公とした作品です。現実でも必要栄養素を補える完全食が存在しているので、いつ同じような状況になってもおかしくはなく、栄養源は必ずしも肉じゃなくてもよい時代に実際になっているのだ。ただし、この作品では食肉文化の否定は全くしておらず、ただ栄養サプリの方が需要があったが故に普通の食事が衰退しただけです。毎日食事するのは面倒なので完全食取り入れてみるのも悪くないかも…。無料で読めるので気になった方は読んでみてください。

肉は美味しいので食べるのをやめられない

 食肉を否定する感じの漫画を紹介しといてなんですが…。肉や魚ってすごく美味しいので、やめろって言われてもやめられるもんじゃないです。感情論で言えばその一言です。動物達が可哀想じゃないのかと言われても、それが弱肉強食・食物連鎖、自然の摂理じゃないのかって反論してしまう。畜産とか養殖、品種改良など、その範疇を超えてるかもとは若干思いますが…。

 とはいえ、畜産などに伴う環境負荷の大きさや世界的な食料問題などがあり、このままで良いとは大きな声では言えないのかなと思います。そういう面からのアプローチもしたかったのですが、全然調べられてないので別記事でいつかあげられたらと思います。それでは、また。